ふれでぃの淫夢考察:研究室

親には見せられない淫夢考察

7 Days To Daddy 前日譚

ぐらとにまごっと兄貴の名作淫夢実況「セブンデイズトゥダディー」に感銘を受けて初執筆です。

※同淫夢実況のネタバレを含む場合があります

 

私の名前は賀畑緩次郎。高校の教師を務めている一般人だ。

早速だが、皆さんは「大切な人が、ある日急にいなくなってしまう」という経験がおありだろうか?いなくなってしまうというのは、死んでしまうという意味ではなく、「消息を絶ってしまう」ということだ。その大切な人は、自分に何も告げず行方をくらましてしまう。それは、現実から逃避したからなのか?悪い組織に攫われたからなのか?はたまた、自分探しの旅に出てしまったのだろうか。それすらも教えてくれずに、ある日ふといなくなってしまう。

 

私の古くからの友人である島田くんが失踪してから、かれこれ半年が経つ。彼は私をはじめとした知人や、あろう事か家族にも、何も伝えずに居なくなってしまった。1億1451万4円という膨大な借金を残して。

 

サラリーマンとして仕事に勤しみ、遊ぶ時は思いきり遊ぶ島田くんは、私の数少ない友人であった。彼はいつか会社を興し、自立したいと言っていた。その夢を応援したいと思った私は、彼にもしものことがあった場合の身元保証人、言い換えれば「連帯保証人」になったのである。

「あんたが連帯保証人になってる、島田っちゅう奴がな、行方をくらましよったんや」そんなセリフ、私はテレビの演劇でしか聞いたことがなかった。まさか、本当に取り立て屋が家に来るなんて…

だが幸いにも、払えないからと言っていかがわしい店で働かされたり、土地の権利書を奪われるなんてことはなかった。

 

最初に綴った通り、私は高校の教師をしている。今年で55になるが、数年前に母を亡くしてからずっと一人暮らしだ。これと言った趣味もなく、扶養家族もいない。ただちょっぴり食費がかかるくらいだ。そんな私だから、少ないが貯金はあった。月々そこから返済していけば、厳しい取り立てやヤクザのような人が来ることもない。

 

だが、1人の一般人が背負うにはあまりにも大きすぎる借金。普通に考えて、1億円という大金は人が生涯かかってやっと貯められるかどうかという金額だ。私はその額を目にして途方に暮れた。私がこれから定年まで働いたとしても、せいぜい1000万円稼ぐのが限界だろう。退職金だってそう多くは無い。

 

もちろん、連帯保証人が私1人という訳では無い。他にも何人か保証人となる人、島田くんの友人は居たのだが、皆が口を揃えて「払えない」というのだ。急に失踪し、社会的信用はほとんど失墜してしまった島田くんを庇うことができるのは、もはや私しかいないだろう。かくして私は、巨額の借金を1人で背負うことになってしまったのだった。

 

私だって「1人で払おう」と思った訳では無い。島田くんの友人や保証人の所をあちこち回ったし、警察に出されていた捜索願に加えて島田くんの情報なども提供した。

ところが、これはあまり芳しくない方向に進んでしまう結果になった。まず、携帯は切られていて繋がらず。更に、彼の消息もほとんど掴めなかった。唯一分かったことは、最後に目撃された場所が空港であることだけ。おそらく海外に逃亡したか、行方をくらます為に人混みに消えたという結果になった。

 

もうひとつ芳しくないことがある。私の借金の存在は隠していたつもりだったのだが、私がかつて送り出した卒業生の1人が借金の存在に気づいてしまった。おそらく家を訪問してきた時に机にあった請求書類を見たのだろう。噂の広がり方というのはそれはもう恐ろしいもので、昔私が育てた教え子たちにあっという間に知れ渡ってしまった。どうにか「今の学校の関係者には黙っていてくれ」と言ったが、皆は口を揃えて「借金を肩代わりさせてくれ」と言うのだ。下手に借金の存在を知られるよりも、こうやって恩返しのためにお金を肩代わりさせて欲しいと頼まれる方が恐ろしい。かつての私にいくら恩があろうと、無関係の人を巻き込むわけにはいかない。

 

ここに居ても借金は返済できない。ましてや教え子に肩代わりさせるなんて有り得ない。そういったジレンマに挟まれてしまった私は、ついにある行動に出たのである。

 

そう、失踪だ。

同僚の先生たち、校長先生にはとても申し訳ない思いでいっぱいだ。国語の小野先生、体育の秋吉先生…私を支えてくれた人たちにも、何も告げずに失踪してしまうことは、とても私の胸を痛めさせた。今思えば、教員として生涯を終えた方がまだ良かったのかもしれない。

 

その失踪を決行する少し前、何気なくインターネットを見ていると、私の目にとある広告が飛び込んできた。

 

「短期間で稼げる企画あります。生活機材、初期サポートあり、オペレーターあり」

※詳細な内容は現地でお伝えします。年齢不問、資格不問、性別不問。前科持ち、社会不適合なども可です。

お問い合わせはこちらまで Tel 090-1919-19419

 

借金を返済する事に全身全霊を注いでいた私にとって、こんな仕事は願ってもない事だった。1人で何かをするというのは心細いし、こういうオペレーターやサポートが付いている仕事というのは願ってもないものだったから、私は文章を2回ほど読んだ後、直ぐに電話をかけた。「公務員は副業禁止」そんな法律は、私の頭の中から消え失せていた。

 

「〇月〇日、午後7時。〇〇空港でお待ちしております。そこには私どもの関係者が待機していますので、目的地まで飛行機で向かうことになります。関係者の格好は…」

今思えば、集合場所に指定された空港は島田くんが最後に目撃された場所だった。だが、その企画に夢中になっていた私は、そんなことを考えている余裕などなかった。

 

これでいいのだ。この副業が終わって、ここへ帰ってきた時は素直に謝ろう。素直に白状しよう。それが教員という仕事を辞することになっても構わない。私はただ、どこかに生きているかもしれない友を救いたいだけなのだ。

 

緩次郎55歳。見知らぬ地へ1人、行ってまいります。

母の仏壇に手を合わせ、私は空港へ向かった。

 

 

「賀畑緩次郎様ですね?お待ちしておりました。早速ですが、貴重品や荷物の類をこちらへお預けください。企画の挑戦場所から生還した際、全てお返し致します。この書類は誓約書となっておりますので、サインをお願いします。」

私に渡されたのは、1枚の誓約書だった。そこに書かれていたのは、企画に関する事項を外部に漏らさないこと。企画の運営に逆らう行動をとった場合命の保証は無いこと…などが書かれていた。私は恐る恐るサインした。多分、若干手が震えていたのだろう。いつもより汚い字になってしまった。

 

「では、これから飛行機に乗り込んでいただきます。申し訳ありませんが、ここからの旅程では目隠しを着用して頂きますので…」

私は返事をしようとしたが、その前に目隠しが着けられた。あとのことはよく覚えていないが、おそらく機内の狭さやエンジン音からして、小型のセスナ機か何かだと推測した。飛行機特有のフワッと足が離れる感覚がした後、私は長い眠りについてしまった。

 

長い夢の中に、島田くんが出てきたような気がした。それは幻聴なのか、はたまた冥界から私を呼ぶ声なのか。私はこれから、いったい何処へ連れていかれるのだろうか?そして、連れていかれた先で何をするのだろうか?

私は一抹の不安を抱えつつ、見知らぬ地へと飛び立った。

 

 

追記

人様の作品からインスピレーションを受けて創作するのはぷもも園兄貴に続いて2例目です。こいついっつもインスピレーション受けてんな。

今回は名作淫夢実況もといダディー実況、「セブン デイズ トゥ ダディー」シリーズの前日譚的なストーリーを私なりに考えて執筆してみました。一応大まかな設定は元動画で明かされている事に沿って書いたので本家との食い違いは無い…はずですが、それ以外の話の流れ(例:ダディーが広告を見て企画に応募したことや島田部長が空港で失踪したという設定など)は完全にオリジナルです。勝手な創作許し亭許して…

ここまで駄文を読んでいただきありがとうございました。本家ぐらとにまごっと兄貴の動画もぜひ観てください。

偉大なる本家様(ニコニコ動画)